日常会話を不自由なく話せる程度の英語力・英会話力を、子供にはぜひ身につけさせたい...との親心から、幼少期から子ども英会話教室などに通わせる家庭も、最近は増えてきました。
ところで、日常会話程度の外国語による会話力を身に付けるためには、およそ2,000時間程度が必要だと言われています。
現在、日本の中・高校で学ぶ英語の学習時間は、通算しておよそ700時間ほどと言われています。
「日本人はこれだけ英語を勉強しながら、簡単な日常会話すらできない」と、よくその「語学下手・英会話下手」を指摘する声があります。
しかし、700時間といえば必要時間のだいたい3分の1程度しか満たしていないことになりますので、高校を卒業したくらいで英語が話せないこと自体は、むしろ当たり前のことだと言えるでしょう。
また、さらに進んで大学レベルの知的議論ができるようになるまでは、5,000時間程度あればよいといわれています。
考えようによっては、人が生まれてから死ぬまでの75万時間(人生85年として)という長い人生においての「わずか2,000~5,000時間程度」という見方もできます。
幼少期に母国語である日本語能力をきちんとつけたうえで、大学生や社会人になってからでも、上に述べたような時間を英語・英会話学習に計画的に投入しさえすれば、幼少からの英語学習にそれほどこだわらずとも、十分に優れた英語力・英会話力を身につけることができる、という見方もできるわけです。
事実、中学生や高校から、いや成人し社会に出てはじめて、まともに英語・英会話学習というものに向きあったにもかかわらず、世に言う英語ペラペラ・英語の達人となって国際的な舞台や社会の各方面で活躍している人などは、この日本にいくらでもいるのです。
また、幼少期にお金と時間をかけて英会話教室などに通わせたとしても、小学校・中学校・そして高校と子どもの成長の過程で何も手を打たずに、日本語漬けの環境に再び放り込んでしまえば、最終的に社会人として実用的な英語力をキープしていくことはたいへん難しい、と言わざるを得ません。
幼少期や小学校などではじめて触れた、英語・英会話学習の楽しさ。
子供が成長を続けるなかで、その好奇心の火を絶やさずに育てていけるかどうか。
もちろん親がすべて面倒をみる、ということではなく、学校の授業以外に、英語・英会話の楽しい世界に触れる機会を子供が失わないよう、なにかと気にかけてあげられるか...ということです。
わが子に英語の早期教育を...と考えている場合、親としてはそういったことについても、思いをめぐらしてみる必要がありますね。