子供英会話教室に通う場合、月謝のおおよその金額的目安として、日本人講師の場合は5,000~8,000円くらい。ネイティブ講師の場合は10,000~15,000円くらいはかかるものと考えておくとよいでしょう。
そのほかにも入会金や教材費などが、別途にかかってくるケースも多いです。
またグループレッスンでなくプライベートレッスンの場合、通常はさらに割高になります。
さて、年間十万円以上のお金を投じて、子供たちはいったいどれくらい、英語や英会話の世界に触れることができるのか。
子どもの英会話教室は、ごく平均的には一週間に1~2時間程度の授業となります。
英語に触れるのは英会話教室にいるときだけで、その他の時間はすべて、起きてから寝るまで日本語漬けともなると、正直なところその学習効果は非常に限定されたものになります。
ただ子供を英語教室に通わせているだけでは、親が期待する水準のコスト・パフォーマンスを満たすケースは少ない、という言い方もできます。
その一方で、子供が英語教室・英会話教室に行くことで期待できるメリットも、もちろんたくさんあります。
もっとも大きなメリットは、幼い頃から英語に触れることで、英語という外国語、そして異文化の世界に、ごく自然に溶け込めることが期待できることでしょう。
幼児・子供向けの英会話教室は通常、お子さんが楽しんで英語に触れられるようゲームや歌、そしてクイズなどのメニューをいくつも用意しています。
ゲームやクイズなどを通して「英語って楽しいもの」というプラスイメージを子供たちが持つようになると、ただでさえ新しいものの吸収スピードが速い子ども自身が、日本語にない英語独特のリズムを楽しんで身につけるようになるのです。
中学校で初めてまともに英語に触れたものの、英語のテストの点数がよくなかったこともあって、苦手意識を持ったまま社会人になってしまった。
そのような英語経験しかないまま成長した子供が、会社の仕事でまたいやおうなく英語を勉強せざるをえない状況に置かれた場合など、心中なかなか辛いものがあることはおわかりになるでしょう。
苦手意識というものはいったん持ってしまうと、克服しようにも「本人にしかわからない大変さ」が、幾つになってもついて回るものなのです。
まだ幼いうちに「英語って楽しいもの」という良いイメージを形成することができることが、"キッズ英語"の最大のメリットかもしれません。
また、子ども英語教室の先生がネイティブの外国人である場合は、その子が大人になった後に英語を使うチャンスがおとずれても、多くの日本人が外国人と英語で話すときに感じる「ある種の心理的な摩擦感」のようなものを抱くことは少なくなるでしょう。これは大切なことです。
意外に思われるかもしませんが、日本には、英会話が苦手な英文学の専門家・英語を専門とする大学講師なども案外いるそうです。
「英語を理解すること」と「英語で実際にコミュニケーションを取っていくこと」は別もので、ふつうの日本人にとっては、そのふたつの間に大きな壁が立ちはだかっているのが現実です。
「英語?うーん、読み書きはなんとかできるけれど、話すのと聞くのはサッパリでね...」とこぼす人が、この日本にはいかに多いかということですね。
そのような壁を作っている大きな理由のひとつに、「英語を母国語とするネイティブとの、日常的な接触の少なさ」が背景にあります。
子供のうちから英語・英会話教室に通うことで、わずかの時間でも外国人講師といっしょに過ごすという環境が用意されることは、異文化圏の人間とふれあうときに子供が心理的な「カベ」をつくらないようになる素晴らしい効果をもたらします。
これは、幼少時から中学生くらいになるまで、外国人をほとんどみかけることもないような土地柄の環境で過ごした場合に比べて、その後の人生で想像以上のメリットをもたらすことになるでしょう。